7日目-その4 沼津宿→箱根宿 東海道路線バスの旅(2023年1月6日)

沼津宿→三島宿

沼津駅までは歩けますが、時間の節約もかねてバスに乗ります。
東海バスは人気アニメ、ラブライブ!サンシャインで頻繁に登場し、ラッピングを施されたバスも走っています。

70本目
東海バス N24西浦線 沼津駅 行き

降車後に撮影

上土13:57発→沼津駅14:02着
170円

沼津駅からは難なく三島宿方面、三島駅行が見つかりました。
次の三島行は伊豆箱根バスの担当ですが、東海バスとの共同運行。

沼津市内はここまでお世話になった富士急シティバス、伊豆箱根バス、東海バスの三社が路線を分け合っています。
静鉄一色の静岡、遠鉄一色の浜松と比べると、静岡県東部は大きく様相が異なりますが、ある意味エリア単位で細かく事業者が入れ食いとなっている首都圏らしい?光景とも言えます。

東海バスの名車・キュービック
富士急、伊豆箱根、東海…

僅かに待ち時間があるため、遅い昼食をとります。

今日は駅ビルの中でぱっと目に着いた「天神屋」で、おにぎりとおでんを買います。
おにぎり屋チェーンはいろいろありますが、この天神屋は静岡ローカルとして有名で、おでんはもちろん静岡おでん。

黒はんぺんにだし粉(青のりと鰹節をすりつぶして粉末状にしたもの)をつけて食べるのが当地流


アツアツのおでんを無理矢理口に押し込むというやや罰ゲーム感のある展開も、乗り継ぎのためには仕方ありませんね。

71本目
伊豆箱根バス 三05沼津駅 – 旧道 – 三島駅線 三島駅 行き

沼津駅14:30発→広小路14:46着
390円

この時間のバスは旧道経由。
旧道とは無論、旧東海道。

数々の水害をもたらした狩野川と並走し、東海道の狭い二車線道路へ入ると、再び松並木や寺院が点在する、いかにも旧東海道らしい道を往きます。

黄瀬川
旧道

さて沼津と三島に挟まれたこのあたりは小さな自治体…と言っても人口3万人の「清水町」です。
静岡県には、地理的には大きく離れていますが、二つのしみず、清水市と清水町があったんですよね。
前者は静岡市と合併して消滅しましたが、後者は健在。

旧東海道のすぐ近くには、町名の由来でもあり、富士山の湧水として名高い柿田川が湧き出しています。

レトロな内装のバス
最近見なくなった天井の通風口

三島宿最寄りは本町停留所ですが、車内アナウンスでは交通規制のため迂回すると繰り返し伝えています。
やや気がかりですが、土地勘がないのでもう一つ状況が掴めません。

三島広小路を前にして、これより三島駅へ直行するとのアナウンスが入りました。
地図を見るにつけ、ここで降りるのが得策のようです。

三島宿へは、徒歩で入ります。

11.三島宿

本陣2軒、脇本陣3軒、旅籠74軒、人口4,048人。
地名の由来・三嶋大社は伊豆国一の宮で、源頼朝も信仰を寄せていたという。
宿場の中には富士山の伏流水が湧き出た源兵衛川が横切る。

三島は新幹線の駅がありますが、人口規模で言えば沼津の方が倍近いです(11万vs19万)。
ただ、三島は伊豆国の国府が置かれた町。駿河国の沼津と三島の間は5km程しかありせんが、国が違ったのです。

世古本陣跡
源兵衛川

三島宿→箱根宿

三島からのバスは元箱根港行き。稀に出てくる宿場間直行のラッキーバスです。
難所・箱根の山を一気に駆け上がるとは、なかなか拍子抜けする展開ですが、ここは観光地ですのでバスがあると確信していました。

ただ、次発の15時18分の次、16時台が最終バスのようです。
ここまで好調に乗り継いできましたが、一度でもミスをしたら三島で終了となっていたかもしれません。

72本目
東海バス N65元箱根線 元箱根港 行き

本町15:28発→箱根関所跡16:09着
1,010円

三島の街を迂回し、箱根の山登りに取りつきます。
静岡県側は、初音ヶ原の松並木が良く残っており、風情のある街道の坂道を登っていきます。
車道の隣には石畳の道が並行しています。もしバスがなかったら、ここを歩くことになるのですね。

富士山がこんなに小さくなった
史跡 箱根旧街道の碑

初音入口停からはジャージを着た学生さんを大量に乗せ、観光客は肩身が狭いほどです。
伊豆・修善寺方面と東名沼津インターを結ぶ伊豆縦貫道をくぐると、1号線を離れ旧道へ入ります。

松並木の坂道を登る
座席の多くは埋まっている

途中、ところどころで先ほど乗せた学生さんを一人、また一人と降ろしつつ、山登りが続きます。

こんなバス通学がしてみたかった

坂道沿いには途切れることなく家並みが続き、箱根を抜けるための観光路線と思っていた当線は、沿線住民の純然たる生活路線でありました。

坂小とはストレートなネーミング
愛鷹山も徐々に視界の下に

ぐんぐん高度を上げ、大きなつり橋が見えてくるとそこは三島スカイウォーク。
バスも駐車場へ侵入し、施設の正面へ乗り付けます。
このロケーションなら、眼下に三島の街並みや駿河湾を見下ろしつつ、富士山と対峙しながらの天空散歩が叶いますね。

突如吊り橋が出現
スカイウォーク

なかなか人気があるようで、平日の夕方にもかかわらず、自家用車は相当賑わっていましたし、バスからも下車客がありました。
ただ、ここを出る時点で乗客は片手で数えるほどになってしまい、箱根峠を越える方は想像よりもはるかに少ないのでした。

引き続きぐんぐん登坂し、山中城を過ぎた辺りでついに国道へ合流。
いよいよ箱根峠が迫ってきました。

ふと振り返ると、黄金に輝く駿河湾が見える


乗降が絶え、車内にはバスの力強いエンジン音だけが響いています。

エンジン音のトーンが少し下がり、少し開けたところに出ると箱根峠。
標高は847m、これにて長かった静岡県を脱出し、神奈川県へと入ります。

箱根峠!
芦ノ湖が見える

バスでの県境越えは三重→愛知以来で、久しぶりです。
というか、京都からここまで、バスで越えられた県境は三重→愛知しかないのでは?
東海バスさん、なかなかの快挙です。

眼下に芦ノ湖が見えると、すぐさま下りの急坂となり、あっという間に湖畔近くに出ました。
小田原行のバスが発着する箱根町のターミナルを過ぎ、例によって本陣跡最寄りの箱根関所前で下車します。
乗車時間は40分程ながら、運賃は1,000円を超えこの度最高額記録を更新します。
結果的には鬼門である県境も越えてくれたので、大満足です。

山登りのランナーを見送る

ただ、このバス乗車中の相方は、ずっっとスマホ片手に仕事のやり取りを続けていた様子。
休みのはずだが休みきれない、サラリーマンの哀しみに同情を禁じ得ません…私の方は特に何の連絡も入らず、呑気なもんですが。不人気サラリーマン笑

箱根も「見てきてください!」とのことだったので、別行動を敢行します。
バスは比較的多数あり、40分後の小田原行きに乗車することを決めました。
なんとこれも、宿場間直行バスです。

今日は「勝ちパターン」にうまく乗れたようです。

10.箱根宿

本陣6軒、脇本陣1軒、旅籠36軒、人口844人。
三島と小田原の間に宿場がないのは参勤に差し障るということで、あとから設置された宿場町。

数日前に大学生ランナーが駆け抜けた箱根の山、往路ゴール・復路スタート地点となる芦ノ湖畔には駅伝のモニュメントが。
なお、駅伝のコースとなる国道1号は、旧東海道の道筋とは異なり、実際には旧道経由のバスもあるのだが、後で知りました…。

箱根関所跡
なかなかの迫力

その5へ続く

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