1日目-その3 瀬川宿→昆陽宿 山陽道路線バスの旅(2023年5月20日)

その2からのつづき

瀬川宿→昆陽宿

日が高い時期ですが、それでも夕方4時ともなればやや傾いてきました。
相変わらず国道171号の交通量は多く、バスは10分ほどの遅れでやって来ました。

10本目
阪急バス 93 JR茨木 行き

半町 15:54発→ 石橋阪大前駅 16:09着
240円

石橋までは楽勝ムードでしたが、この先は再び白紙です。
次の昆陽(こや)宿へは、そのまま171号に沿って進めばよいのですが、果たしてバスはあるのか。

石橋阪大前駅バス停は、駅前ターミナルではなく、駅西側の少し広くなった道路上にあります。

バス停の脇に街角図書館。いいね!

降ろされたところの標柱を見ても、昆陽・西宮方面行は記載なし。
少し北側にもう一本あります。覗き込むと…

なんと…

16時14分発。
現在時刻は16時18分。
タッチの差で行ったばかりか!

そして次発は18時18分。
2時間待ちで、これが最終。
ええ…少なっ!

この時点で気づいてしまいました。
あの渋滞がなければ…
定刻で走っていれば、十分に間に合ったのに。
そして、1本、即ち20分早い便ならば、余裕で乗り継げました。

この20分、どこかで巻けたか?

巻けました。

あぁ、ラーメン…!!

昼食をコンビニですませば、あるいは茨木での調達としていれば、問題なく乗り継げました。
やっちゃったか!?

やっちゃったな!!

……はい。
どうしましょうか。
嘆いたとて、現実は変わらない。
進むしか道はない。
ショックですが、ひとまず前を向かなければ。

11本目
阪急バス 11系統 阪急池田駅 行き

石橋阪大前駅 16:35発→ ダイハツ本社前 16:40着
220円

とにかく僅かでも西へ進めそうな11系統でダイハツ本社前へ。
そこから歩いて猪名川を渡り、昆陽宿のある伊丹市内へ入る寸法です。
伊丹市内は伊丹市営バスが走っていますから、何とかなるのではないか。
最悪、どうにもならなかったとして、昆陽宿まで歩いて逃げ切れば、石橋18:11発・最終の西宮行きを捕まえることができます。

というわけで、171号を歩いてバス探索です。
バス停が見つかる度に覗いては落胆する…を繰り返し、少しずつ前へ進みます。
何となくあてにしていた伊丹市営バスの標柱もあるのですが、こんなに明るいのに最終が出た後なんですよね…。

バス停はあれどバスが無い
着陸直前の飛行機、凄い音!!

耳をつんざく飛行機の爆音に晒されながら、伊丹市内に入ります。
JR北伊丹駅でもバスは増えず、失意のままに北村交差点へたどり着くと、バス停発見!
やっとのことで、阪急伊丹駅行きのバスが見つかりました。

しかし、ほどなくして目の前を反対方向に走り去るバスが。しかも、あろうことか、171号線を昆陽宿の方向に曲がっていく。

最早、何が正解なのか全くわかりません。

12本目
伊丹市営バス 31系統 阪急伊丹駅 行き

北村 17:20発→ 阪急伊丹駅 17:37着
210円

伊丹市営バスは前乗りです。京都から西向きの旅では初めての運賃先払い。
伊丹市域がさほど広くないことから、市営バスの均一運賃が可能になっているのでしょう。
伊丹駅は広々としたターミナルで、乗り場も多数。
昆陽宿へ向かうバスもすんなりと見つかりました。

ところが、出発まであと5分というところで、肝心の乗り場が見つからない。
目の前の駅の北側だけでなく、東側の道路に面したところにも分散していたのです。
とりあえず、相方がそのことに気付いて事なきを得ましたが、油断していました。

13本目
伊丹市営バス 7系統 鴻池東 行き

阪急伊丹駅 17:50発→ 小井内 17:54着
210円

乗り場では、長く伸びた列に横入りしようとした老婆に対し、おっちゃんが「ちゃんと並ばんかい!」と一喝しました。
ところが、老婆は認知症?のようで、見事に逆切れして車内に入ってもずっと怒っていました。
近くのおばちゃんは関係ないのにいろいろ暴言を吐かれ、私は靴を踏まれ、なんかとばっちり……。

幸い、すぐ隣のバス停で降りて行かれたので僅かな時間でしたが、いろんな事情を抱えた人が一堂に会するバスだからこそ、いろいろ見てしまいますし、考えさせられます。

5.昆陽宿(こや)

猪名川と武庫川にはさまれたこの辺りは昆陽野とも言われ、天平年間(西暦730~)に開発が行われ、昆陽池が産まれたとされている。
その後、昆陽池は名勝として謳われ、万葉集にも登場しています。

昆陽宿→西宮宿

夕暮れの昆陽で、阪急バスを待ちます。
順調に2時間前のバスに乗り継げていれば、歩かずにここに来ていたでしょうけれど、ここ昆陽から次の西宮へは尼崎を通るなど、複雑な乗り継ぎになっていたことでしょう。
ともあれ、無事石橋からの最終バスを捕まえることができました。

14本目
阪急バス 96系統 西宮北口駅 行き

※当路線は2023年11月に廃止されました

アルビス寺本 18:34発→ 西宮北口駅 19:04着
240円

かくして「西宮北口南口」と言う、方角が3つも入る不思議な場所に辿り着きました。
ただの綺麗な駅前ターミナルですが。

阪急西宮北口は、阪急神戸線にとっての西宮市の玄関口ですが、西宮宿があった古くからの街は阪神の駅の方です。
ここから歩けば30分ほどの距離がありますので、できれば歩きたくはありませんが、この時間帯に肝心のバスが見当たりません。
いろいろ探して、とりあえず阪神西宮までの道のりの途中にあるJR西宮駅までならバスに乗れることが分かりました。

15本目
阪急バス 19系統 甲東園 行き

西宮北口 19:15発→ JR西宮駅 19:23着
220円

JR西宮駅からは蒸し暑い夏の宵の口をしばらく歩きます。
正直、もっと早い時間帯に神戸までたどり着けると思っていましたが、西宮で日没を迎えてしまったのは想定外です。
日没を過ぎると、写真を撮ってもあまり面白くないので、できれば日のあるうちに終わらせてしまいたいところなのですが。

西宮から先は、神戸行きの阪神バスが通っていることを知っているのですが、問題は最終バスの時刻です。
これから西宮宿を訪ねて戻って…となると、30分は必要です。

阪神西宮駅前のバス停は車庫を伴った立派なのりばで、大きな屋根が煌々と辺りを照らしています。

そして、気になるバスは21時までありました。
さすが都市部!これで神戸行きは確定です。

6.西宮宿(にしのみや)

さぁ、いよいよ大阪からの山陽道(中国路)と合流です。
西宮に目立った宿場の遺構はありませんが、福男を決める猛ダッシュで有名な「西宮神社」は平安時代には当地に鎮座されていたということで、山陽道を歩いて旅する人々も見守ってきたはずです。

西宮宿→兵庫宿

西宮からはいよいよ、大阪からの旧山陽道、国道2号線とも合流です。
特に2号線とは長い付き合いになりそうだ。
とは言え、山陽道と西国街道は意味合いとしては同じ、上方と西国を結ぶ道であり、瀬戸内の諸藩を結ぶ道です。

このため、この先も山陽道と西国街道はどちらの名前も出てきますし、明確に使い分けられているわけでもありません。
しかるに「山陽道」あるいは「旧山陽道」という言い方、括り方自体が非常におおざっぱで、それがどの道を指すのかは、調べれば調べるほど曖昧模糊としてきます。
この点、東海道とは違うなぁ…マイナーだなぁ…と思わざるを得ません。

夜の帳が下りた阪神西宮バス乗り場の雰囲気がとても良い。

16本目
阪神バス 西宮神戸線 神戸税関前行 行き

阪神西宮 20:00発→ 三宮駅前 20:48着
220円

バスは夜の幹線国道をスムーズに走ります。
それにしても、なかなかの長距離路線です。
東海道では宿場間を直通で行けるケースはそれほど多くなかったので、助かります。

都市部だけあって途中の乗降も多くある一方で、もちろん乗り通したのは我々だけ。
早く神戸へ行こうと思えば、電車に乗った方が便利ですからね。

ただ、このバス自体も実は昔は路面電車で、その名も阪神電鉄の「国道線」。
当時は日本最長の路面電車路線でしたが1975年には廃止となり、現在のバスに引き継がれています。

神戸の玄関口・三宮に着いたのは21時前。
実は兵庫宿に向けてまだ進めそうでしたが、疲れたのでここでフィニッシュとします。

次回スタートは、同じ場所から神戸駅行きの神戸市バスとなります。都市部なので本数は頻発。
それでは、帰路の駅に向かうついでに、西国街道の案内看板を見に行きましょう。

いやぁ~、都市部なので楽勝かと思っていましたが、後半苦戦しました。
お疲れさまでした。

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