中編(四日市宿→桑名宿)はこちらから
桑名宿→宮宿
七里の渡し区間に突入。
しばらくはチェックポイントに縛られることなく、ただひたすらに進みます。
桑名宿→弥富駅
桑名宿の写真を撮っていたら思いのほか時間が足りず、猛ダッシュで「田町」バス停に戻ります。
小さな子がいる昭和末期産まれパパとっては、長い付き合いのアンパンマン。
「ちっす!先輩!こんなところで、お疲れっす!」
当路線が長島エリア内「名古屋アンパンマンミュージアム」へのアクセスバスであることがラッピングの由来ですが、行先の旧長島町って、三重県ですよね…。
浦安の某ネズミ王国メソッドか…。
伊曽島バス停には10分ほどで到着。
まさに、息つく暇もない展開です。
念のため、長島方面への時刻を確認。夕方5時までありません。
こりゃ、なんとか木曽岬から北上したいです。
これより、大河・木曽川を徒歩で渡ります。
しかし、木曽川は、県境ではないんですね。
渡った先の木曽岬(きそさき)町は、相変わらず三重県。
「愛知県だ、ぴょ~ん!」が、できません。
国道を外れ、海抜ほぼ0メートル地帯をさまよい「上松永」バス停を探します。
こういう「地形と異なる不自然な県境が引かれている場所あるある」ですが、この木曽岬町、やはり越境合併問題や、領有権(冗談ではなく)問題があり、町域南部の木曽岬干拓地についてのいきさつは特に興味深いところです。
ほどなくして「上松永」停留所を発見。
コミュニティバスは本数が少ないことが多いので、祈るような気持ちで時刻表を見に行きます。
ちなみに、バス停標柱のトマトのキャラは「トマッピー」で、町名産のトマトをモチーフにしています。
三重県内の生産量の6割を占めるほどですが、三重県のトマト生産量は全国で20位前後で推移。
…なんや、なんかコメントに困るな。
「よっ!三重一!」
町営バスで1時間間隔は、割と多い方ではないでしょうか。
マイクロバス(トヨタのコースター)なのに、つり革が付いているのも、少し珍しいかも。
それだけ多くの乗客があるのでしょう。
途中、海南病院近くでは、すぐ前に「やとみ」と書かれたバスが現れて団子状態に。
弥富のコミュニティバスには、次の弥富駅から東へ進むために利用したいため、思い切って乗り換えるか?と考えるも、いまいち決め手に欠け、動けませんでした。
この一瞬の迷いが、吉と出るか、凶と出るか?
終点の弥富駅には、だいぶ日も傾いた16時過ぎに着きました。
弥富駅→名古屋市内
さて、ここからがまた、悩ましい時刻表となっております。
まず国道1号線に沿って進む直行の蟹江行きは、そもそも存在せず。
めぼしい路線は、十四山支所(旧十四山村役場)方面へ南下するきんちゃんバス(弥富市のコミュニティバス)「東部ルート」くらいしか見当たりません。
東部ルートは、「善田橋西」が市域の東端で、そこを過ぎると進路を西に変えて弥富駅方面へ帰ってきます。つまり、バスでの市境越えはできないので、善田橋西で降りて、飛島村(「あすか」ではなく「とびしま」村)方面から伸びてくる(かもしれない)バスを捕まえて蟹江駅へ向かう。
蟹江から先も、国道1号線を東進する路線はなさそうなので、駅近傍かつ名古屋市内の「戸田」バス停まで歩けば、名古屋市街へ繋がってそうであり、この想定をプランAとしました。
また、もし「善田橋西」で繋がるバスがなければ、名古屋市域まで徒歩で入って、「河合小橋」というバス停からも名古屋市街を目指せそうです。そちらをプランBとしました。
さぁ、どうなるか。弥富駅を後にします。
「きんちゃんバス」の愛称は、名産の金魚に由来するようです。
関西人にとって金魚の街と言えば奈良県の大和郡山市で、こちらは生産「量」ではトップですが、売上金「額」ベースだと弥富に軍配が上がるようです。
不毛な対立をあおっても仕方ないので、日本の金魚の二大産地、ということで。
「ぃよっ!日本一!!」
さぁ、善田橋に着きました。
飛島村からのバスは、予想通り蟹江駅方面へ向かって来ていました。
しかも、わずか5分で接続。プランA、確定です。
ただ、よく見ると、きんちゃんバス側の路線図には「飛島バスに接続する」と、ちゃんと書いてあります。
ここまで本当に繋がるのかやきもきしたので、弥富駅前のバス停にも書いておいてほしかったなぁ…。
(電車で行けよ!というツッコミしか返ってこないのは承知)
あと、飛島バスの本数の多さは、自治体バスとして異常な水準。
ここまでの需要があるのなら、三重交通直営でもやっていけるのでは?
いよいよ蟹江駅に到着、名古屋市は目前です。
しかし、またもやバス路線は途切れます。
名古屋市境を越えて、最寄りの「戸田」バス停を目指します。
距離はおよそ1.5km、住宅街の中を15分ほどの道のりです。
こうして地図で見ると、名古屋市営バスは、本当に市域のギリッギリまで来ているんですね。
ついでに蟹江駅くらいまで入ってきてくれれば、途中の人も乗れて便利なのに(そして私も歩かずに済んだのに)…などと身勝手なことを考えるのが人情ってやつですよ。
飛島バスが、狭い道を駆使して名古屋市域のキワッキワまで迫りつつ、なんとか足を踏み入れずに蟹江駅を目指しているのも味わい深いですね。こういう振る舞いは自治体バス同士だけに、色々厄介な話があるのでしょうか。
今回、歩きが少なかったとはいえ、なんやかんや、庄野→石薬師間や、四日市宿往復、桑名→木曽岬間などで歩いているため、徒歩距離は10kmを越えました。
足が疲れてくる時間帯です。名古屋市街へ通じるバスが、すんなりあるといいなぁ。
って、あったよ!
金山行きだから、都心直結!
バス停到着後、即発車。焦る!
車内では、このまま一気に宮宿まで行くか、金山で切り上げるかを話し合いました。
結果は、19時20分名古屋駅発の高速バスに乗車するため、本日の前進は金山までとし、金山にて次回以降の情報収集をすることでまとまりました。
名古屋→京都
巨大な金山駅で右往左往し、お客様カウンターで地図をもらって、次回の乗車バスを調べるために乗り場を探していたら、もう時間はギリギリ。
とにかく路線も乗り場も多過ぎて、一日の疲労が蓄積した頭では、簡単に処理能力の限界を越えます。
もう訳が分からん。
田舎のバスの少なさとは違った悩み、本日のゴール地点・金山では「都市部での乗り継ぎ」という迷宮を見せつけられた気分です。
無理に進まなくてよかったのでは?
金山からはJRで名駅まで移動し、京都行き最終の高速バスにはなんとか間に合いました。
こうして、13本ものバスに乗り継いた「第2回東海道五十三次バス旅」の、長い一日が終わりました。
「もう今日、すごくないですか?」
「奇跡の大進撃、最善手でしかないでしょう?」
「反省点なんて、あるのか?」
…などと言い合ってましたが、結果はいかに。
お疲れさまでした。