8日目-その3 藤沢宿→保土ヶ谷宿 東海道路線バスの旅(2023年1月7日)

その2からの続き

藤沢宿→戸塚宿

80本目
神奈川中央交通 戸81 戸塚バスセンター 行き

藤沢橋12:30発→消防署前12:59着
320円

戸塚行きのバスも、宿場間直行。
区間距離は8km程です。
まだ13時前で横浜市に突入とは、我ながら順調なのでは?

鉄砲宿
原宿ふたたび

鉄砲宿の由来ははっきりしませんが、原宿は藤沢と戸塚の「間の宿」です。

近くには横浜ドリームランド(閉園)がありましたが、大船との間を結んだドリームランドモノレールは1966年の開業からわずか1年半で廃止され、西の姫路市モノレールと並んで幻の路線と言われています。

車内には若い人の姿も

バスは大勢の老若男女が入れ代わり立ち代わり乗ってきます。
既に、クルマ社会が行き着いた地方の、高齢者と通学生しかいないバスの風景ではありません。

高低差のある地形を行く
バイパスをくぐるトンネルも

バスは丘陵地を順調に駆け抜け、消防署前へ着きました。
またまたまた、本陣は消防署前なのです。

5.戸塚宿

本陣2軒、脇本陣3軒、旅籠75軒、人口2,906人。
江戸を発って十里。1日十里で工程を組む昔の旅人の多くが最初に宿泊したのがこの辺りだそうで、西の石部のようなポジションか。
江戸期には藤沢同様、鎌倉街道との分岐点として賑わったそうだが、今はベッドタウンとして発展している。
戸塚の語源は東海道沿いの冨塚(とみづか)八幡宮から来ているとも。
住所の上ではいよいよ横浜市。

澤邊本陣跡
内田本陣跡

戸塚宿→保土ヶ谷宿

戸塚からは、次の保土ヶ谷宿へ進むバスを探します。
相変わらず巨大なバスセンターですが、そもそも町が巨大だ。

駅が見えてきた…いや、見えないけど…
戸塚バスセンター

戸塚も、関西人には何のイメージもない地名で、辻堂と似たり寄ったりの印象しかありませんでしたが、駅前の発展ぶりを目の当たりにすると、高槻とか茨木クラスなんですよね。

といわけで、ターミナルをひとしきり見回したところ、保土ヶ谷方面へ進めるバスは見つかりませんでした。
もう全然分からんので、ひとまず「横浜医療センター」あたりに行ってみる?
デカい病院からなら、周辺の駅へ向かう路線もたくさん集まるでしょう?という、安直な発想です。

で、ひとまず医療センター経由の「ドリームハイツ」行きに乗り込んで運転手さんに「保土ヶ谷の方へ行きたい」と告げると「のりば間違えてません?」と仰る。
どうやら、保土ヶ谷行きは線路を越えた「東口」から出ているようです。

…あっ…!

戸塚バスセンターがあまりにも巨大すぎて、駅向こうにも乗り場があることが完全に意識下から飛んでいます。
(後で気づきましたが、ドリームランドの跡地を売り出した団地だから「ドリームハイツ」なのです。そりゃぁ、来た方角へ戻ることになりますな…苦笑)

戸塚バスセンターからの行先ラインナップ
ことごとく「西」!

しかし、ここへきてそんな初歩的なミスする?
恐るべし戸塚。
巨大すぎて判断力が低下する。

駅もとてつもなく大きく、長い通路を5分かけて東口へ移動します。

そして、無事保土ヶ谷行きを発見。
同じのりばからは、横浜駅行きも出ている様子です。

それから、朝からずっと乗り継いできた神奈中バスですが、ついに「運賃前払い」に変わりました。
前面右下の表示も誇らしげです(?)

81本目
神奈川中央交通 戸38 保土ヶ谷駅東口 行き

戸塚駅東口13:28発→八幡橋14:03着
220円

保土ヶ谷行きも、国道1号線を走ります。
宿場間直結は、半ば当たり前のようになってきました。

広重に描かれた吉田大橋を渡る

沿道には、POLAやALSOK、山崎製パンなど、大企業の工場が点在します。

藤沢からここまで、相変わらず丘陵地帯を走っており、坂道が多いのが印象的です。
しかしながら、この間の国道1号は、旧東海道とやや離れてしまいます。

ポーラ前
山崎製パン

旧東海道・焼餅坂や品濃坂のあたりはバスではとても通れないような細道が続いていますが、道はしっかり残り、繋がっています。
ただ、坂の上も下も全て宅地で覆い尽くされ、往年の風情はあまり感じることができないようです。

一応、東海道との主張はなされる
丘陵地帯
箱根駅伝の一つの見所となっている「権太坂」

実際、藤沢を出てから急激に松並木など旧東海道の遺構を車窓から捉えることが難しくなってきています。
致し方ない反面、それだけ人口密度が高い地域、バスの便の恩恵には大いにあずかっています。

線路が見えてくるあたりで再び合流し、間もなく「八幡橋」に着きました。

着きました!
市営・神奈中・相鉄 三社局共用のポール
4.保土ヶ谷宿

本陣1軒、脇本陣3軒、旅籠67軒、人口2,928人。
近くに帷子橋、帷子川と、帷子(かたびら)の地名が残るが、これは片側が山、もう片側が平地の地形を指す「片平」が由来で、広重の描いた当地の風景そのもの。
帷は一文字でかたびらとも読むため、子は置き字らしい。
難読ですが京都の人間には親しみのある地名。

本陣跡
山が迫る地形

保土ヶ谷宿→神奈川宿

宿場の写真を撮り終えると、保土ヶ谷橋バス停へ移動。
すぐに横浜駅西口行きが来ました。

82本目
神奈川中央交通 横17 横浜駅西口 行き

保土ヶ谷橋14:13発→横浜駅西口14:36着
220円

最後の神奈中バスです。
朝の小田原駅から横浜まで、本当に長い間お世話になりました。

ここまで9本のバスに乗り継ぎ、正規運賃は2,590円です。
それを、1日乗車券・同伴者1名無料キャンペーンのおかげで僅か525円の支払いのみで来てしまいました。
ちとやり過ぎ感があり、申し訳ない気もします。
が、こんな常識外れな使い方をする客も稀でしょう。

保土ヶ谷駅が見える

小田原から横浜まで、電車なら1時間かかりませんから、実践する価値は全くありません(但し運賃は半分)!

バスは浜松町(こんなところにもあったんですね)を過ぎると国道16号へ入り、尾張屋橋で線路と帷子川を跨ぎます。
乗客は終始多く、途中までは立ち乗りです。

尾張屋橋

知らない人と並び立って都会の真ん中を駆け抜けているとまるで通勤ラッシュのようで、今が東海道の旅なのか、単なる移動なのか、よくわからなくなってきました。

横浜市バスがたくさん停まっている
名古屋以来の大都会!

さて、あっさりと目標の横浜駅に着きましたが、まだ時刻は14時半を回ったところ。
こんなに日も高い時間帯にここまで来られたなら、いよいよゴールが見えてきました。

横浜駅

その4へ続く

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