昨日のあっけない?箱根八里を経て、小田原に宿泊しました。
フォロワーさんにはゴール(日本橋)を狙える位置だと教えられましたが、土地勘もなく半信半疑です。
さて、一夜明けて今日も快晴です。
少し寝坊気味でしたが、せっかくなので小田原城を表敬訪問します。
小田原城は、室町時代に大森氏が築いた城郭が前身で、その後北条早雲が入ってからは、秀吉に攻め滅ぼされるまで100年もの間、北条氏が治めました。
この北条氏は、鎌倉時代に執権を務めた北条氏と区別するために「後北条氏」「小田原北条市」とも表されています。
難攻不落と評されただけあって?木陰に隠れてなかなか天守がきれいに見えません。
そうこうしているうちに時間切れ。
なにせ本日1本目は週1回しか来ないバスなので、乗り遅れるわけにはいきません。
もし乗り遅れたら
「また来週~!」
「いやぁぁぁぁ~!!」
小田原宿→大磯宿
時刻は7時55分、やや半信半疑で乗り場へ向かうと、おったがな!
箱根登山バス、伊豆箱根バスたちに交じって、ポツンと1台の神奈中バス「平塚駅北口」行き。
なんと、前代未聞の「二宿場間貫通直行バス」でありながら「週イチバス」でもあります。
乗客は、その道の方と思しき男性が1名と、私達だけです。
それでは、今日も出発!どこまで行けるでしょうか?
74本目
神奈川中央交通 平45 平塚駅北口 行き
小田原駅8:05発→消防署前8:59着
600円
さて、バスは土曜朝の空いている東海道を快調に進んでいきます。
酒匂川を渡ると、後方に真っ白になった富士山が望めました。
途中「印刷局前」なるバス停がありました。
何の印刷かと思えば、小田原には国立印刷局の工場があるんですね。
印刷するのはもちろんお金…!
見学もやってるようですが、もちろん工場見学でありがちな「出来上がりのサンプル製品」をもらうことはできません。
右側車窓には、時折朝日を映した海が輝きます。
ほどなくして国府津駅のロータリーに入りました。5分ほどの小休止です。
ここで相方が1日乗車券について調べていました。
神奈中バスは、1050円で全線1日乗り放題になりますが、どういうわけだか土日は同伴者1名無料になるようです。
つまり、実質負担額は525円/人。
この時は、この効力の凄まじさをよく理解できていませんでした。
運転手さんにお願いすると、ICカードへピピッと設定。神奈川県横断の準備はこれで万端です。
それにしても、途中休憩をはさむほどの長い路線です。
隣の大磯宿までの区間距離は17km。さらに隣の平塚宿まで4km。
17kmは東海道五十三次の中でも非常に長い方ですが、1本のバスが豪快に結んでしまいます。
運転手さん曰く、昔は1時間に何本も走っていた当路線ですが、現在は土曜日の朝1本、今乗っているのは平塚を6時40分に出た便の折り返しなのだそう。
ちょっと前は日曜日ダイヤだったので、正月なんかは毎日走っていたのが、いつからか土曜ダイヤに移され、さらに本数が絞られたようです。
なるほど、それで土曜朝1本などという奇妙なダイヤに…。
運転手さんの「乗る人なんてほとんどいないよ」との声とは裏腹に、途中もパラパラと乗降はあり。
これは後になって気付きますが、神奈中バスでは、パラパラ乗る程度では「乗客無しに等しい」ほど、乗車密度が高いのです。
バスは二宮町へ入りました。
二宮の名の由来は、相模の国二の宮の「川勾神社」があることから。
一の宮は「寒川神社」で、これは新幹線・相模川橋梁の近くにあります。
窓から時刻表を見てみると、ここからは平塚行きが増えているようで少し安堵します。
大磯宿で降りたとき、週一バスのままでは困りますからね。
小田原を出発しておよそ1時間で消防署前へ到着。
大磯町消防本部の目の前、中南信用金庫が、本陣跡です。
大磯宿→平塚宿
さて、消防署前から出るバスは本数が少なく、少し時間が空きます。
ただ、ここからは大磯駅が近く、大磯駅発平塚駅行きのバスが増えるのではと思い、隣の大磯局前まで歩くことにしました。
結果は大当たり!
僅か2分の接続で平塚駅行きがやって来ます。
75本目
神奈川中央交通 平47 平塚駅北口 行き
大磯局前9:13発→豊田道9:20着
210円
車窓左手には広重にも描かれた高麗山(こまやま)が見えてきました。
大きな山ではありませんが、お椀を伏せたような丸みを帯びた形は特徴的で、目立ちます。
高麗の名が示す通り、この辺りは渡来人が多くやってきた逸話が残され、高麗山は上陸の目印になっていたのだとか。
二宮、大磯とずっと左手に続いてきた丘陵地はここで途切れ、花水川を渡ると平塚市に入ります。
放送で「はなみず」と聞いたときは、一瞬鼻水かと思いましたが、花水です(やめなさい)。
平塚宿は豊田道バス停が最寄りのため、駅まで行かずに下車します。効率が良い!