またまた2カ月ほどの間隔を経ての4回目は、岡崎市と豊川市の境に位置する本宿から始まります。
前回は、赤坂・御油宿を過ぎて国府駅あたりを目標にしていましたが、夕方美合駅についた後はバスにありつくことができず、長距離の徒歩と雨に破れ撤退を決めました。
終着の本宿では当然時刻表を確認し、先(東)へ進むバスはないことを確認済み。
この度始まって以来の、徒歩スタートとなる見込みです。
本宿へのアプローチ
天下の東海道、新幹線も東海道線も並行していますから、交通は至便です。
しかし、いかんせん京都からの距離が開いてきています。
今回は、前回同様、のぞみ200号で名古屋へ入り、名鉄線に乗り換えます。
名古屋駅では脇目を振らずに特急に乗り継ぎ、さらに東岡崎駅で急行へ乗り継ぎます。
本宿到着時刻は所定より少し遅れて7時50分で、これが朝一番の乗り継ぎです。
ただ、仮にこの時間までのぞみに乗り続けていたなら、静岡の端・熱海の辺りを通過している頃です。
東海道沿線と言えど、新幹線停車駅を外れてしまうと意外に時間がかかるものですね。
ちなみに、相方は今回夜行バスで豊橋入り。そこから西へ戻る形で本宿で合流しました。
さて、本日はこの旅始まって以来の雨模様。
京都の自宅を出た時は止んでいましたが、名古屋を過ぎるころには本降り。もともと大雨予報で、遅い時間になるほど雨脚が強まる見込みでした。
この日の目標は浜松宿と想定し、この旅初の宿泊を挟んだ翌日は島田・藤枝あたりへたどり着くイメージをもって臨みました。
ただ、あくまでイメージです。願望です。
事前調査無しの我々には、何の根拠もありません。
続・藤川宿→赤坂宿
前回終了時は本宿から先の路線は皆無だと思っていたのですが、先に着いた相方が妙な路線に気づきました。
その名も、名鉄バス77系統・豊興工業前行き。
平日のみ1日1本、片道だけの運行。僅かながら、南東方面へバスで進めそうです。しかも、電車を降りて3分後の発車。乗れてまうやないか…。
そう、この日は宿泊を伴う2Daysと言うこともあって、平日の金曜日に、有給取っちゃったんですよね(日曜日は休養日)。
34本目
名鉄バス 77系統 豊興工業前 行き
本宿7:53発→豊興工業前7:56着
170円
かくして、明らかに特定の会社へ向かう勤め人を運ぶバスに、明らかに今日は仕事する気のない奴が紛れ込んでいるというシュールな状況で、本宿駅を後にします。
いや、さすがに少しマズいかなと思ったんですけどね。
この雨の中、大口を開けて待つ名鉄カラーのポンチョには、吸い込まれざるを得ません…。
ちなみに、乗客は10数名程度、全員が着席しておられましたので、私も座らせていただきます。
乗務員は運転手さんと、見習いさんなのか?若い名鉄バス社員さんも同乗され、この旅始まって以来のツーマン運行。
車内は終始たいへん静かで、微妙に後ろめたい3分間を過ごし、バスは運命の終点へ。
敷地外に突っ立っているバス停ポールを華麗にスルーし、警備員のいる正門を突破し、大変ご丁寧に建屋の玄関の車寄せにピタッと付けます。これなら一滴も濡れません。
まぁ、全く想定してないよね。一般人の混乗。そりゃそうだ。
名鉄バス乗務員氏の「ありがとうございました!行ってらっしゃいませ!!」というはつらつとした挨拶が、胸を刺します。
ついては、豊興工業社員の皆様が全員降りられるのを見届け、恐る恐る「すみません…一般の者なので、外の停留所まで乗せて行ってもらえますか??」とお尋ねしたところ、
慣れた様子で「分かりました!では、一旦精算をお願いします!!」とご案内。
ICカードを通したらば、無事に門外まで送り届けていただけました。
この手練れの様子から、おそらく定期的に「こういう輩(バスファン)」が、舞い込んでいると見た!
僅か1.3kmの短くて長い?旅から、1日が始まっていきます。
長い徒歩区間
豊興工業前からは、今度こそ完全にバスが途切れました。
前回の旅を合わせれば、美合駅から名電長沢駅付近まで、正味10km以上のバス空白地帯が続いています。
(なお、もちろん長沢駅からバスに乗れる保証はありません。)
雨脚が強い中、しばらく歩きなので、傘に加えて合羽を着て進みます。
さて、豊川市(旧音羽町域)に入り、旧道が国道1号と別れる辺りに、「大榎橋」バス停を発見しました。
が、30分ほど前に出て行った朝の便には間に合わず。
次便は昼前までありません。
このバスは名電長沢駅から来るバスなので、駅へ時刻表を見に行くことはせず、赤坂宿を目指して先を急ぎます。
まだ朝の内なので体力は充分。心なしか雨の降り方も弱くなってきて、景色を楽しむ余裕さえあります。
街道歩きとは、雨の日は雨の日なりに、風情のあるものですね。
赤坂宿→御油宿
赤坂宿と隣の御油宿との間は近く、僅か1.6kmほどしかありません。宿場間距離としては東海道最短です。
もともと御油と赤坂は一つの宿で、あまりにも大きすぎたために家康の命によって二つに分けられた経緯があります。
その境目に位置する松並木は、まさに宿場を二分するがために植えられた木々が、戦時供出をも免れ現代に残っているもので、国の天然記念物に指定されています。
この間、相変わらずバスがありません。というか、あるにはあるが、乗れていません。
大榎橋では30分前にバスが行ったばかりでしたが、この辺りからは、音羽支所始発のバスが時刻表に加わります。
ところが、これも僅か15分前に出たばかりで、次発は今から2時間後です。
う~~~ん、不運と言うほかありません。仮にここまでの道中を走ったとしても、数キロの間で15分を詰めるのは厳しかったでしょう。
宿場間はたった1.6lm、されど今朝は豊興工業前から歩きっ放し。10時前ながら、早くも1万歩を突破、徒歩距離がかさんでいます。
前回の目標は御油宿、その先国府駅まで行ければなお良し、などと思い描いていましたが、このバスの繋がりの悪さ…とんだ夢物語でしたね。
御油宿→吉田宿
本陣を過ぎ、あまり期待をせずに「御油橋西」バス停をチェックすると、なんと!またバスが増えています。
御油地区の巡回バス「ごゆりんバス」で、しかもあと10分ほどでやって来ると。
やっとのことで、本日2本目のバスにありつけそうです。
35本目
豊川市コミュニティバス ごゆりんバス 国府駅 行き
御油橋西9:57発→御油駅10:07着
200円
バスと言われても、あまりバスらしくないワゴン車、ハイエース。豊鉄タクシーが運行していました。
豊鉄は豊橋鉄道の略。ずっと名鉄のテリトリーの中を進んできたので、「とよてつ」の響きから、また少し歩みを進めた感覚を得ます。
先客のおばあちゃん2名と我々、合わせて4名の乗客は、全員が終点の国府駅まで乗りました。
さて、今度は国府駅から先の乗り継ぎが気になります。
地図上では、吉田宿方面へまっすぐ向かう国道1号線方面への路線は皆無のようですので、市民病院を経由することになると思うのですが。
なお、先ほど松並木にて15分差で乗れなかったバスは、1日たった2本の市民病院直通便でした。
これをカバーできる路線は、果たして存在するのでしょうか。
国府駅のターミナルで、恐る恐る時刻表を見ると…5分後、10時13分発御津線の豊川市民病院行きを発見!
おおお!しっかり繋がっている!!
病院行きの運転手さん曰く、やはりここから豊橋方面へは名鉄線(東海道)に沿って真っすぐに行く路線はなないが、市民病院を経由すれば豊橋駅へつながるとのこと。
やっとのことで、藤川宿から断続的に続いたバス希薄地帯を脱出できそうです。
36本目
豊川市コミュニティバス 御津線 豊川市民病院 行き
国府駅 10:13発→豊川市民病院10:27着
200円
またまたハイエースに揺られ、豊川市民病院へ。
朝から街道歩きで停滞していたのが嘘のように、目の前に巨大で新しい病院の建物が立ちはだかります。
それにしても風景の展開が急で、なんだか江戸時代から現代にタイムスリップしたようです。
ゆっくり進むバス旅ではありますが、徒歩とバスとの間では、やはり景色や時間の流れ方、感じ方が大きく違います。
優劣をつけるべきものではなく、それぞれの良さがあるように思います。もちろんバスの方が、身体は楽ですが!
37本目
豊鉄バス 96系統豊川線 豊橋駅 行き
豊川市民病院10:32発→豊橋市役所前11:01着
490円
さて、ここから先は30分間隔と本数も十分な豊鉄バスです。
本日初めての、頼もしささえ覚える大型車。
豊橋鉄道は名鉄グループですが、名鉄バス、岐阜バスや知多バスなどの赤ラインの塗色とは一線を画した、爽やかなグリーンを纏います。
ちなみに、ICカードは使えず、久々に小銭をじゃらじゃら抱えるバス旅です。
曇り空の下、バスは豊橋駅を目指し、一人、また一人と乗客を拾いながら、南下していきます。
乗車してから20分ほどで国道1号線に合流すると、ほどなくして吉田大橋を渡ります。左手に見える森は、吉田城址。今は公園となっています。
旧東海道は右手側一つ川下の橋、その名も「豊橋」を渡るのですが、ここは現在の市名の由来となっていますね。
吉田宿→二川宿
吉田宿から二川宿までは途切れずに街が続いているので、豊橋駅まで行けばバスがあるだろうと想像し、駅を目指して歩きます。
その道すがら、駅前大通りバス停で時刻表を眺めていると、一台のバスが停車。
ドア横の行先表示に「二川」の文字が見えたので慌てて乗車!
降りたバス停で知りましたが、この路線は1時間に1本しかなく、駅を目指してずんずん進んでいたら乗り逃し、停滞するところでした。
38本目
豊鉄バス 56系統二川線 シンフォニア テクノロジー行き
駅前大通・まちなか図書館11:18発→住宅前11:48着
450円
基本的には先を急ぐ(?)旅ですが、急ぎ過ぎても仇となりかねない、我々の手に余る高難度プロジェクトに取り組んでいることを再認識させられます。
ただ、なんとなく豊橋で昼食のイメージもあったので、嬉しさ半分、がっかり半分 笑 カレーうどーん!ちくわーー!!
前回は昼食が食べられずにずるずると時間が過ぎたので、今回はしっかり食べよう!と申し合わせていたのですが、いつになるやら。
全てはバス次第。それがバス旅。
二川宿の最寄りは「住宅前」。
バス停の名に強いて採用するほどの、立派な住宅団地らしきものは見当たらず。
強い雨が降る中、少し離れた二川宿へ向かいます。