8日目-その1 小田原宿→平塚宿 東海道路線バスの旅(2023年1月7日)

昨日のあっけない?箱根八里を経て、小田原に宿泊しました。
フォロワーさんにはゴール(日本橋)を狙える位置だと教えられましたが、土地勘もなく半信半疑です。

さて、一夜明けて今日も快晴です。
少し寝坊気味でしたが、せっかくなので小田原城を表敬訪問します。

楽し気な市街地の風船アート?

小田原城は、室町時代に大森氏が築いた城郭が前身で、その後北条早雲が入ってからは、秀吉に攻め滅ぼされるまで100年もの間、北条氏が治めました。
この北条氏は、鎌倉時代に執権を務めた北条氏と区別するために「後北条氏」「小田原北条市」とも表されています。

小田原城天守…木が
木が邪魔ですね…

難攻不落と評されただけあって?木陰に隠れてなかなか天守がきれいに見えません。
そうこうしているうちに時間切れ。

なにせ本日1本目は週1回しか来ないバスなので、乗り遅れるわけにはいきません。
もし乗り遅れたら
「また来週~!」
「いやぁぁぁぁ~!!」

小田原宿→大磯宿

時刻は7時55分、やや半信半疑で乗り場へ向かうと、おったがな!
箱根登山バス、伊豆箱根バスたちに交じって、ポツンと1台の神奈中バス「平塚駅北口」行き。

小田原駅バス乗り場
神奈中!

なんと、前代未聞の「二宿場間貫通直行バス」でありながら「週イチバス」でもあります。
乗客は、その道の方と思しき男性が1名と、私達だけです。
それでは、今日も出発!どこまで行けるでしょうか?

74本目
神奈川中央交通 平45 平塚駅北口 行き

とんでもない時刻表
でも、本当に来た

小田原駅8:05発→消防署前8:59着
600円

さて、バスは土曜朝の空いている東海道を快調に進んでいきます。
酒匂川を渡ると、後方に真っ白になった富士山が望めました。

酒匂川
印刷局前

途中「印刷局前」なるバス停がありました。
何の印刷かと思えば、小田原には国立印刷局の工場があるんですね。

印刷するのはもちろんお金…!
見学もやってるようですが、もちろん工場見学でありがちな「出来上がりのサンプル製品」をもらうことはできません。

松並木

右側車窓には、時折朝日を映した海が輝きます。
ほどなくして国府津駅のロータリーに入りました。5分ほどの小休止です。

国府津駅舎

ここで相方が1日乗車券について調べていました。
神奈中バスは、1050円で全線1日乗り放題になりますが、どういうわけだか土日は同伴者1名無料になるようです。
つまり、実質負担額は525円/人。
この時は、この効力の凄まじさをよく理解できていませんでした。
運転手さんにお願いすると、ICカードへピピッと設定。神奈川県横断の準備はこれで万端です。

箱根登山バスと並んで小休止
東行きは相変わらず週一バス
車内は閑散としているが、終始自分たちだけになることはない

それにしても、途中休憩をはさむほどの長い路線です。
隣の大磯宿までの区間距離は17km。さらに隣の平塚宿まで4km。

17kmは東海道五十三次の中でも非常に長い方ですが、1本のバスが豪快に結んでしまいます。
運転手さん曰く、昔は1時間に何本も走っていた当路線ですが、現在は土曜日の朝1本、今乗っているのは平塚を6時40分に出た便の折り返しなのだそう。

ちょっと前は日曜日ダイヤだったので、正月なんかは毎日走っていたのが、いつからか土曜ダイヤに移され、さらに本数が絞られたようです。
なるほど、それで土曜朝1本などという奇妙なダイヤに…。

運転手さんの「乗る人なんてほとんどいないよ」との声とは裏腹に、途中もパラパラと乗降はあり。
これは後になって気付きますが、神奈中バスでは、パラパラ乗る程度では「乗客無しに等しい」ほど、乗車密度が高いのです。

海沿いを行く

バスは二宮町へ入りました。
二宮の名の由来は、相模の国二の宮の「川勾神社」があることから。
一の宮は「寒川神社」で、これは新幹線・相模川橋梁の近くにあります。

二宮駅
立派な松並木が残る

窓から時刻表を見てみると、ここからは平塚行きが増えているようで少し安堵します。
大磯宿で降りたとき、週一バスのままでは困りますからね。

大磯城山公園/左手木立の奥が吉田茂邸

小田原を出発しておよそ1時間で消防署前へ到着。
大磯町消防本部の目の前、中南信用金庫が、本陣跡です。

8.大磯宿

本陣3軒、旅籠66軒、人口3,516人。
中世には相模国の国府が置かれた由緒正しき宿駅。
日本初の海水浴場が置かれた穏やかな海を求めて、政財界の人間がこぞって別荘を建てた。
東海道が海沿いを通るのはここまでで、徐々に内陸へ向かう。

尾上本陣跡
信金のシャッターは広重

大磯宿→平塚宿

さて、消防署前から出るバスは本数が少なく、少し時間が空きます。
ただ、ここからは大磯駅が近く、大磯駅発平塚駅行きのバスが増えるのではと思い、隣の大磯局前まで歩くことにしました。

結果は大当たり!
僅か2分の接続で平塚駅行きがやって来ます。

75本目
神奈川中央交通 平47 平塚駅北口 行き

大磯局前9:13発→豊田道9:20着
210円

車窓左手には広重にも描かれた高麗山(こまやま)が見えてきました。
大きな山ではありませんが、お椀を伏せたような丸みを帯びた形は特徴的で、目立ちます。
高麗の名が示す通り、この辺りは渡来人が多くやってきた逸話が残され、高麗山は上陸の目印になっていたのだとか。

高麗山
花水川から高麗山を振り返る

二宮、大磯とずっと左手に続いてきた丘陵地はここで途切れ、花水川を渡ると平塚市に入ります。
放送で「はなみず」と聞いたときは、一瞬鼻水かと思いましたが、花水です(やめなさい)。

平塚宿は豊田道バス停が最寄りのため、駅まで行かずに下車します。効率が良い!

7.平塚宿

本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠54軒、人口2,114人。

県外の人間からすると、平塚といえば湘南ベルマーレ。

古くから栄えていた湘南地区の中心的な街で人口は25万人。
大磯に続き、本陣跡が金融機関になった。

本陣跡
柱の正面は神奈川銀行と石碑

その2へ続く

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