吉原宿→原宿
吉原宿は吉原中央駅から始まる商店街の中にありました。
東田子の浦行きも吉原宿の真ん中、吉原本町停から出ます。
66本目
富士急静岡バス 東海道線 東田子の浦駅 行き
吉原本町12:01発→東田子の浦駅12:21着
450円
この東田子の浦行きの路線名は栄えある「東海道線」。
これは京都から乗り継いできて初めての出来事です。
経路も久々に旧東海道に沿って、時折松並木が見える中を進みます。
ただ、この東海道線は前述の通り、名前の頼もしさとは裏腹に休日運休。土日は利用することができません。
富士沼津間は、一応北側の船津・東平沼を通る路線でも結ばれているようですが、さらに本数が少なく大変なことになっていたものと思われます。
くわばらくわばら。
元吉原小学校あたりの「元吉原」の地名は、実際にもともと吉原宿があったことにちなんでおり、津波の被害により宿場ごと今の吉原の位置へ丸ごと移転したようです。
海が近いはずですが、車窓からは見えません。
1日3本しかない、貴重な東田子の浦駅行きはあっけなく終点へ到着。
気になっていた沼津方面への乗り継ぎは、僅か20分待ちと好接続。
当駅は初めての訪問でしたが、富士山を背景にこじんまりとした駅舎が佇むさまはとても良い雰囲気でした。
これも上手く接続できたからで、もし先がなければ苦しい思い出、苦い風景になってしまうのだから人間、都合がいいものです。
ただ、沼津行きも決して本数が多いわけではなく、次の宿場・原宿を訪ねた後の、後続が2時間近くありません。
一抹の不安を抱えたまま、原宿を目指します。
67本目
富士急シティバス 東海道線 沼津駅 行き
東田子の浦駅12:40発→原交番前12:56着
350円
吉原からここまでの「富士急静岡バス」に代わり、沼津行きは「富士急シティバス」。
昔は一本の路線で繋がっていたようですが、いまは分社化と共に路線も分断されています。
また、ここから沼津へ向かうバスは土日も走り、本数も増えます。
さて、富士急グループのバスがまとう、富士の裾野のようなシルエットが印象的な緑のラインですが、これは「グリーンベルト」と呼ばれている塗色です。
世界遺産ともなった富士山の景観を損ねないカラーリングをという思いを具現化したものですが、子どもの頃(静岡県民時代)は、なんとも地味で垢抜けない、田舎っぽさの象徴のように思えました。
ところが、大人になったいま見ると、どこか京都市バスにも通じる渋さがあり、なかなかカッコいいんです。
バス路線名は引き続き東海道線、海岸線に近い旧東海道を東進し、僅か15分で原宿最寄りの「原交番前」に到着です。
沼津行の次発は東田子の浦と変わらず、2時間後のまま。
ただ、ここからは別の路線「ららぽーと沼津」行きが出ています。次発はわずか15分後。
原へ来る機会はなかなかないので、もし待ちぼうけを喰らったら白隠禅師ゆかりの松蔭寺を訪ねようと思っていましたが、そんな隙も暇も全くない状況です。
嬉しいような、切ないような。
この旅を通じて、何気なく通り過ぎていた場所にも、まだ見るべきものが色々あるなぁと再認識しています。
原宿→沼津宿
68本目
富士急シティバス ららぽーと沼津・原団地・原駅線 ららぽーと沼津 行き
原交番前13:12発→片浜駅13:30着
180円
ららぽーと沼津は、地図で見ると沼津駅の手前、しかも北西側。
ただ、そこまで行けば、駅へも繋がっていそうです。
広重の書いた原宿の背景…否、主役の富士山は画面をはみ出す特殊効果を用いていましたが、車窓から望む富士山は建物の陰に見え隠れしています。
富士宮での見え方に比べたら、随分小さくなったようですが、それだけ着実に東進しているということです。
バスは東海道からは外れて団地の中を細かく回り、片浜駅へ着こうとしています。
ここから沼津駅へ向かう路線はないのでしょうか。
何気なく運転手さんへ聞き込みに行った相方が、ほくほく顔で戻ってきました。
「片浜駅で沼津行に接続しているようです。ギリギリになるので、無線で連絡を取ってくれるそうですよ。」
これはファインプレーです。
片浜駅では、沼津行きバスのすぐ後ろに付け、乗り継ぎ券をいただきました。
大人は90円引きになるようです。
運転手さんに声をかけなければららぽーとまで回り、タイムロス・マネーロスとなるところでした。
69本目
富士急シティバス ららぽーと沼津・原団地・原駅線 沼津駅 行き
片浜駅13:35発→浅間角13:47着
280円(乗継券利用で190円)
というわけで、ほとんど待ち時間なしで軽快に乗り継ぎ、あっという間に沼津宿最寄りの浅間角へ。
沼津宿は駅からやや離れていますが、東海道に沿って走ってきたバスなら沿線上です。
浅間角の近くには地名の由来「丸子神社浅間神社」があり、ここは一つの社殿の中に二つの神社が存在する様子。
形態的には一扉二社と言うそうです。
もちろん、我々は素通りして先を急ぎます。罰当たりなやつらめ。