4日目-その2 赤穂市街→片上宿 山陽道路線バスの旅(2023年9月18日)

赤穂市街→三石宿

2本目(通算33本目)
東備西播定住自立圏形成推進協議会(ウイング神姫受託)
ていじゅうろう備前ルート 吉永病院 行き

新町 12:15発→宮内 12:40着
200円

もう昼下がりですが、前回にも増して、今日はまだどこの宿にも辿り着いていないというダメダメっぷりで笑えてきます。
気を取り直して、西へと進んでいきましょう。

岡山県!

このバスは、東海道でも貴重だった県境をまたぐバスです。
本当に苦労した兵庫県西部を後にして、最後は魔の県境をゆうゆうとバスで越えていくというのがまた、妙な気分です。

さて、このバスは吉永行ですが、我々は途中の三石で宿場探訪のため、一度降りなければなりません。
問題は、三石から先、片上宿へ向かう行程です。

このバスはそのまま吉永へ向かいますが、この道筋は旧山陽道・国道2号線からは外れています。
では、三石から片上へ直通するバスがあるのかというと、これは全く予想ができません。

道路地図で示されている赤い点線では、三石~片上は一応繋がっているようですが、ずっと山の中で周囲に人家が多数ある(=移動の需要が旺盛にある)というわけではなさそうです。

ちなみに、吉永~片上も、バスの線は繋がっています。
こちらは距離も短く、沿線に当地では随一の観光名所「旧閑谷学校」を抱えています。
そもそも、吉永自体が、三石よりも栄えています。

というわけで、三石で下車した後、運が良ければ三石~片上のバスを捕まえられるかもしれませんが、三石~吉永、吉永~片上という移動になる可能性も十分考えられます。

三石~吉永のみ走る区間便が存在していればよいですが、最悪それが無ければ、吉永への足は今乗っている「ていじゅうろう」の次の便しかなく、その時刻は4時間後の17時15分。
これは嫌~なシナリオですね。

時折狭い道を行く
なんだか怪しい雲行き

ここで、ウルトラCを発動します。

先ほどもらったていじゅうろうの地図と路線図を確認する限り、三石駅の手前「宮内」から、バスは一旦山の方へバイパスで回りこんで、三石の集落を縦断する経路になっているんですよね。

つまり、先に降りてダッシュで先回りしたら、宿場探訪とダイヤ確認と再度の乗車を全部こなせるのではないかという話。
題して「三石ショートカットダッシュ大作戦」

長野県を走るJR飯田線の下山駅から先、飯田市街地は線路が扇状地を回り込んでオメガ型のカーブを描いており、ここを本気ダッシュして電車に追いつくという「下山ダッシュ」という、乗り鉄には超有名な、アレと一緒ですね。

普段オタクのくせに、ここへ来るとなぜか体育会系になるアレ 笑

「はい~、宮内です」「ありがとございましたぁ」チャリン!プシュー…ブロロロロ……

はい、右よし、左よし!

よーい、ドン!!!

さあ、ランナー走り出しました、事前の想定通り、三石宿本陣跡へ向けて順調に進んでいきます。
バスは信号に引っかかって停まっているようです。ナイス!ここで一気にちぎっていきたい。

おおおーーーっと!

頭上に山陽本線が通る三石のレンガ橋が現れました!!これは貴重な近代土木遺産ですね!
三石は耐火レンガの産出で名を馳せ、今も地場産業として根付いています。

写真を撮らずにはいられない!!

しかし、時間がない!いま、頭上の高架橋上をていじゅうろうの野郎が猛然と通り過ぎていきました!
早く本陣跡地に、そしてバス停にたどり着かなければ!

閑静な住宅街を通り抜け、旧山陽道に合流しました。
ひと気も車通りも全くありません!

16.三石宿(みついし)

三ッ石とは、この村に福石、基石、守石という三つの石があったのだが今はない、と行程記に記されている。
有名なのは耐火煉瓦で、この地で取れる蝋石を原料として製造したものが大ヒットし、大正時代には備前市域産のレンガが国内シェアの76%を占めるほどになりました。
今でもレンガ製造の火は消えていません。

本陣跡から、少し上手にバス停があるはずですが、すんなりとは見つかりません。
ちょっと焦る。

あれぇ?確かこの辺に…あった!

ゴ―――ル!!

まだバスの影は見えません。

気になる時刻ですが、うわぁ!あぶねぇ!!
やっぱり備前市営バスの三石~片上行は、土日全便運休でした。吉永行も同様。

ということは、ひとまず一度捨てたていじゅうろうに乗り込むのが正解、あとは再びの乗車を待つのみです。

汗だくで息も絶え絶え、自転車で通りかかる親子には、不思議そうに見られました。
はい、いかにも、私は怪しい者です!

でも、一番そう思っているのは、ていじゅうろうの運転手さんでしょうね……。

3本目(通算34本目)
東備西播定住自立圏形成推進協議会(ウイング神姫受託)
ていじゅうろう備前ルート 吉永病院 行き

農協前 12:46発→吉永病院 13:00着
200円

三石宿→片上宿

人生で初めて、一度降りた路線バスに、もう一度乗りました。

とは言え、乗客の顔ぶれは変わっていません。
要するに私達だけ。

朝は晴れていましたが、ここへきて少し天候が崩れ、雨が降り出しました。
三石ダッシュの時に降られなくてよかったなぁ、などと考えているうちに、あっという間に終点の吉永の街へ突入。

あと少しで終点というところで、むむむ!何やら備前市と書かれた赤いマイクロバスとすれ違ったぞ!
あれが片上行きだったら……嫌だな……。

一瞬青ざめる時刻表(平日のみ表記・1日3本)

吉永病院は、新しくてきれいな建物でした。
が、土曜午後は休診なのか、人影もなく静まり返っています。

気になるのは片上行きバスの時刻ですが、恐れていたことが起きました。
どうやら、先ほどすれ違ったバスが案の定、片上方面へ南下していくバスだったのです。
そして、次のバスは、2時間後、15時4分発のマルナカ行き。

マルナカはまぁ中四国地盤のローカルスーパーの名前でしょうけど、どこのマルナカやねん……そして午前中の3時間半待ちに続き、またしても2時間待ち。

たは~~、繋がらないね!

病院前のベンチにひたすら2時間座り続けるのはしんどいので、一旦吉永駅に移動することにしました。
ところが、駅についてもなかなかしんどい。残暑厳しき折、エアコンもない中、差すような西日を浴びて駅舎の中は蒸し暑くなっています。
だからと言って、他に行く場所も居られる場所もありません。

現存する世界最古の庶民のための公立学校とされ、300年前、江戸時代に建てられた学校建築が残る「旧閑谷(しずたに)学校」に行けたなら、どれほど素晴らしかったろうと思うのですが、歩いていくと50分ほど。ちと遠いんだよな…

おっさん どこなら 八塔寺~
モンパ の ももひきゃ ぬ~きぃ~か
虱が湧いたら か~い~いぞ(当地のわらべ歌)

ちなみに、次のバスが向かうマルナカは、片上とは少し方向違いの市内南東・JR赤穂線の伊里駅方面にあるものと推定されます。

おそらく、マルナカから先は日生方面から片上へ向かうバスに繋がるのでしょうけれど、時間が分かりませんし(三石からのバスのように運休だったらかなりまずい)、遠回りになります。

ならば、三石からの国道2号線と交差する伊里中交差点でバスを降りて4km、1時間弱を歩ききれば堅実に片上宿へ到達できます。
これを実行するためにも、体力を温存する必要がありました。

4本目(通算35本目)
備前市営バス 南北閑谷学校のぞみ線 マルナカ 行き

吉永駅 15:00発→伊里中 15:17着
200円

さあ、待ちに待ったバスに乗り込みますよ!

その3へつづく

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